極刑執行人 

極刑の時しか動かない。


直接手を下すというのは、実に面倒なのだ。
その面倒を享受する幸福を知れ。

上官にはゴアイサツ。
ちゃんと職務、全う致します!

まずは血の色に慣れよ。
人間という生命体、全てに流れる物だ。


誰だ、あたしに手錠を掛けるのは?
吾は優秀たる極刑執行人ぞ!!

吾に掛けらるる手錠の音を聞かせよう。
嗚呼、吾には感嘆に聞こ得る!!

吾も人間なりて、舌は赤いぞな?もし?

徒労の日々。
貴様等の下種な執行は実に排他的だ。

優しかった日を想い出します。
父様、母様、御元気で!!

旅立ちには傷みが伴う。
吾は其れを悼もうぞ。

捕まった方が悪いんだよ。
吾は何度も聞いたはず。
「本当にヤッテいないのか?」と。

****には極刑を以て贖わすのみ。
吾の心、貴様、知らずや…。

吾が笑う時、貴様の顔は歪む。
吾が休む時、貴様の顔は歪む。

さぁ、また始めやふか。
キリの無い阿呆共よ。

そして毎日は、鳴り響く鐘の如く訪れるのだ。
吾の前に。